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NPO法人 日本火山学会について

設立趣旨書

 日本火山学会は、火山に関する学会としてわが国において世界で初めて1932年に設立されました。これは世界の火山学史を画する出来事でした。第二次世界大戦の後、しばらく活動を休止していましたが、活火山研究会として活動を再開し、1956年に現在の「日本火山学会(The Volcanological Society of Japan)」が火山学及びこれに関連する諸科学の進歩、それらに関する知識の普及などを目的として再発足しました。

 火山学は、火山現象を研究し解明することを目的とした自然科学の一分野で、その対象の中心は、マグマの発生、進化、移動、地下での移動、噴火等の過程にあります。日本では、1888年の磐梯山の噴火に際して、初めて地震観測が行われて以降、火山学は大きな発展を遂げてきました。

 日本火山学会は、火山現象の理解に世界的に見てもきわめて大きな貢献をしてきました。再発足後から和文誌「火山」を刊行し、現在では年間6冊、総ページ数400ページ以上の火山学に関するわが国唯一の論文発表の場となっています。また、1961年から世界の火山活動を取りまとめた「Bulletin of Volcanic Eruption」を編纂刊行し、世界に配信しました。欧文誌としては、1997年まで他学会と共同で「Journal of Physics of the Earth」を刊行し、その後これはより広い地球科学の分野をカバーする「Earth, Planets and Space」に発展的に統合されました。

 日本火山学会は再発足後46年が経過し、会員数も着実に増加し、現在では一般会員の数は約1200名に達しています。会員の所属機関も大学や国立の研究所だけでなく、中・高等学校、民間企業や自治体など多岐にわたっています。また、最近では日本火山学会の活動も多彩なものとなってきており、一般市民を対象とする公開講座を火山学会大会の開催に合わせて開いたり、インターネット上で火山に関する質問を受け、これに会員が答えるQ&Aコーナーを開設したり、火山噴火予知や各火山の活動史に関するシンポジウムを開いたりするなど、活動の充実を図ってきたところです。

 このような状況にあって、これまでの第一期から数えて70年、再発足から数えて46年の歴史を有する任意団体としての「日本火山学会」を発展的に解消し、社会的責任を十分果たしうるよう、組織、運営、資産等を整理して「特定非営利活動法人 日本火山学会」を設立し、学会活動の一層の振興を図ろうとするものです。

 日本火山学会の主たる事業内容は、営利を目的とせず不特定多数の市民の利益増進に寄与するものです。また、主な活動内容は、自然科学・社会教育の推進を図ること、学術・文化の振興、火山国日本の環境保全を図るなどで、これは特定非営利活動法人法に定める活動に合致します。

平成14年10月23日

特定非営利活動法人日本火山学会
設立代表者 平林 順一

本会の目的

この法人は、火山学に関連する学術調査・研究、普及・啓発及び研究奨励・表彰等の事業を通じて、火山学及びこれに関連のある諸科学の進歩及び普及をはかることを目的とします。
この法人は、第3条の目的を達成するため、特定非営利活動に係る次の事業を行います。

  • (1)火山学及びこれに関連のある諸科学に関する学術調査・研究
    • ・火山学に関する定期大会及び学術講演会等の開催
    • ・会誌「火山」等機関誌および研究報告書の発行
    • ・火山学及びこれに関連のある諸科学に関する研究・調査等の受託
  • (2)火山学及びこれに関連のある諸科学の普及・啓発
    • ・公開講座・講演会等の開催
    • ・火山学及びこれに関連のある諸科学の普及・啓発のための出版物等の発行・インターネットによる情報の提供
  • (3)火山学及びこれに関連のある諸科学に関する研究を奨励するための表彰
  • (4)国内外の関連団体との連絡及び協力
  • (5)その他目的を達成するために必要な事業

また、この法人は次の収益事業を行ないます。

  • (1)機関誌等への広告掲載

刊行物および定期大会

定期刊行物として年4号の雑誌「火山」と年1回の世界の噴火に関する報告書(Bulletin of Volcanic Eruptions:現在中断中)を発行しています。また、地球惑星科学関連学会と英文合同機関誌EPS (Earth, Planets and Space) を発行しています。学術大会は春と秋の二回行なわれています(春は地球惑星科学関連の合同大会として開催されています)。また、秋の大会の折りには一般向け講演会が開かれています。

国際学会との関係

IAVCEI(国際火山学及び地球内部化学協会)の国内窓口は、日本学術会議地球惑星科学委員会IAVCEI小委員会です。この小委員会のメンバーは本会の国際委員会のメンバーが兼ねています。本会からはこれまでに何人かのIAVCEI会長や副会長が出ています。田中館秀三副会長(1933-36)、久野 久会長(1963-67)、水上 武副会長(1971-75)、横山 泉副会長(1979-83)、下鶴大輔副会長(1983-87)、荒牧重雄会長(1987-1991)、宇井忠英副会長(1999-2003)、藤井敏嗣副会長(2003-2007)、中田節也会長(2007-2011)。
 1962、1981年に引き続き2013年にIAVCEI学術総会を鹿児島で開催し、約1100名の参加者により活発な議論が行われました。また、第5回火山都市国際会議(2007年、島原市と共催)。鹿児島国際火山会議(1988年)や昭和新山噴火50周年国際火山ワークショップ(1995年、協賛)などを通し、国際的にも火山学の発展に貢献しています。

 また、日本と同様に多くの活動的火山を有するイタリアの火山学会 (Associazione Italiana di Vulcanologia) と研究協力協定に関する覚書を締結しています。
イタリア火山学会との研究協力協定

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