火山についてのQ&A |
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Question #652 | |
Q |
石川県にある白山は、死火山ですかそれとも休火山ですか近いうちに 活火山になるおそれがありますか。6月7日早朝にあった地震は、火山活動と関係ありますか?
(06/07/00)
ひろみ:会社員:32 |
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A |
白山は立派な活火山です.現在の気象庁の「活火山」の定義は「約2000年以内に噴火
した火山」で,白山は西暦1042-1239年と1547-1659年に何回も噴火した記録がありま
す.数え方にもよりますが,日本には活火山が86個あり(世界全体の1割以上),白
山はその中の1つです.ただし,常時観測を行っている20個の活発な活火山の中には
入っていません.金沢大学の河野芳輝先生らのグループは白山周辺で地震観測を行い
,山頂の直下で火山性の微小地震が頻発していることを明らかにしました.これは現
在もマグマが地下で活動していることを示します.石川県白山自然保護センターの東
野外志男博士によると,昭和10年に山腹で噴気活動が発生したことがあり,白山のこ
れまでの火山活動には約400年の周期があるので,そろそろ次の活動期に入った可能
性があります.白山は周辺の村落からも遠く,噴火しても直接的な被害が出る可能性
は低いですし,火山性の地震や噴気活動など前兆現象に注意していれば,登山中にい
きなり噴火ということにはならないと思います.金沢大学の守屋以智雄先生は大規模
な火砕流や山体崩壊が発生した場合の被害を心配されています(白山では過去にそれ
らが発生した証拠があります)が,現時点で特に差し迫った危険があるというわけで
はありません.6月7日の北陸地方の地震は海岸から100km程度離れた日本海の海底下
で発生した地震で,白山の活動とは何の関係もありません.
(6/09/00)
石渡 明(金沢大学・理学部・地球学科) |