火山についてのQ&A |
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Question #448 | |
Q |
有珠山の噴火について 噴煙の色が黒っぽいの時と灰色っぽいの時の2種類の時があるのは何故ですか? 粘性が高いマグマは、二酸化珪素の割合が多く、白っぽいと。高校生の時習った記憶があるのですが。 (04/03/00) runrun:サラリーマン:35歳 |
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A |
なるほど火成岩の色と結びつけてお考えになりましたか.確かにおっしゃるとおり,
二酸化珪素の多いマグマには,その分だけ鉄などの元素が少なくて,したがって色の
ついた鉱物(有色鉱物)の分量も少なくなります.二酸化珪素の多い火成岩(花こう
岩など)が白っぽいのはそのためです.火山噴火で飛び出してくるマグマの破片は急
速に冷却して火山ガラスになっています.ガラスもやはり二酸化珪素が多いものほど
白っぽい,あるいは透明なものとなっています.
ところで,有珠の噴火で見られる真っ白い噴煙の正体はほとんど水です.上昇する噴
気の中の水蒸気が,上昇した結果冷やされたために,細かい水滴になったもの(つま
り湯気)です.それに細粒の固形物が加わると噴煙の色は灰色っぽくなり,さらに量
が増せば黒っぽくなります.有珠の噴火の場合,加わっている固形物は,火口あたり
を作っている山体の岩石が水蒸気爆発で破壊された破片などです.
(4/13/00)
三宅康幸(信州大学理学部地質科学) |