火山についてのQ&A |
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Question #3501 | |
Q |
火山砕屑物、特に火山灰の成因について教えて下さい。 (1) 一般的に火山砕屑物はマグマの飛沫と考えて良いのでしょうか? (←固結する以前のマグマの飛沫が空気中に放出され、それが空気と触れて固体となった物である?) それとも、マグマだまりや火道で既に固体となった物が放出されているのでしょうか? どちらか一方の成因によるのか、それとも両方ともの成因があるのか教えて下さい。 (2) 火山灰は主にマグマの発砲によってできるとのことですが、そうであればマグマの表面(空気に触れているところ)で、発砲によりマグマの微少な飛沫が形成される所でだけで火山灰は誕生しているのでしょうか? それとも、マグマの中に既に含まれていた固体成分が火山灰になることがあるのでしょうか? (11/21/02) 青葉マーク:公務員:45 |
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A |
火山砕屑物(かざんさいせつぶつ)とは、独立した火山岩の粒子(大きさによ
って、火山灰、火山礫、火山岩塊と呼びます)のことで、それが集まって堆積
したものをさすこともあります。これには、直接マグマから飛び散ってきたも
のの他に、一旦固まってからくだけたものもあります。さらに火口周辺の古い
岩石がくだけてできる場合もあります。後者は、直接火山活動と関係のない、
土石流や山体崩壊による岩なだれ(岩屑なだれ)などの運搬によって生産され
ることもあります。火山砕屑物は成因を含んだ言葉ではありません。
例えば、水蒸気爆発では、古い溶岩が細かくくだけて火山灰や火山岩塊とな り、火口から勢い良く放出されます。また、雲仙普賢岳の火砕流では、火口で 一旦固まった溶岩が崩れて粉々になった火山砕屑物が流れ下りました。
火山灰は火山砕屑物の一部ですから成因を含んだ言葉ではありません。大きさ
が2ミリメートル以下の粒子です。上のどの過程によってもできます。マグマ
が発泡して泡が弾けたときや、まだスポンジ状の軽石が噴煙中でぶつかって壊
れて生産されるのももちろん火山灰です。
中田節也(東京大学・地震研究所・火山センター) |