火山についてのQ&A |
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Question #3010 | |
Q |
火山の種類で、問題集のまとめの部分に「成層火山」(例)富士山・雲仙岳 とありました。 テストで雲仙普厳岳は「成層火山」と書いたところ、「鐘状火山」が正解でした。どちらが ただしいのでしょうか。雲仙岳と雲仙普厳岳はちがうのですか。 (10/19/02) あきこ:学生:15 |
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A |
火山をいくつかに分類することによって理解はしやすくはなるのですが、自然界に はどれに当てはまらないものや、どちらとも言いかねるものがでてくるのが普通で す。鐘状火山という言葉は現在では火山学的にはほとんど使いませんが、鐘(つりが ね)の形をした地形を持つ溶岩ドーム(溶岩円頂丘と同じ)のことです。教科書では 昭和新山がその例とされていると思います。成層火山は、溶岩と火山灰などが積み重 なって、ひとつの火口地域を中心としてできた円錐形の大型の火山のことです。富士 山や岩手山がその典型的な例です。 雲仙普賢岳とは雲仙岳の山頂部を指し、雲仙岳という場合はもっと広範囲に山全体 を指すときに用います。出題者は山頂部(普賢岳)が溶岩ドームなので鐘状火山、雲 仙岳全体はどちらかといえば円錐形であるので成層火山と言いたかったのかもしれま せん。ただ、雲仙岳は典型的な成層火山とするのはよくありません。なお、「鐘状」 ということでは普賢岳よりはその東にある眉山の方がより近いでしょう。 正直言って良い出題とは言えませんね。 (10/20/02) 中田節也(東京大学・地震研究所・火山センター) -- |