火山についてのQ&A |
≪前のQ&A≪ ≫次のQ&A≫
|
Question #226 | |
Q |
初めて質問させてもらいます。
昔、九州に家族旅行で行ったときに、阿蘇山で立派な柱状節理をみました。
柱状節理は冷却面と垂直の方向に割れ目が入ると習ったのですが、僕のみた柱状節理では縦方向の割れ目の上部に、
冷却面がバラバラで、柱の1本1本が互い違いの方向を向いている柱状節理(?)をみました。
このような柱状節理はなぜできるのでしょうか。
できればお答え下さい。
(6/10/99) |
|
A |
地表を流れた高温の溶岩が冷却するときに上面では空気と接して,下面では地面と接
しています。それぞれの表面で冷却されて,収縮割れ目が形成されますが,内部はま
だ高温ですので,冷却した表面から中心部に割れ目が進行していきます。溶岩(溶結
凝灰岩のときも)均質で全体に一様に冷却が進行した場合にきれいな柱状節理が形成
されると考えられています。
柱状節理の中をよく観察すると等間隔のステップがあったり柱に直交するほぼ等間隔 の節理がありあたかも石をを積み上げたように見えることもあります(玄武洞な ど)。その節理表面のプリューム(節理の形成じの進行方向)が節理のステップ毎に 異なってることから,柱状節理は全体が一時にできるのではなく,冷却の進行に伴い 一定の厚さずつ段階的に形成されると考えられています。 上下から伸びてきた柱状節理は,中央部付近に達すると一旦止まります。全体に温度 が均一となり等温面なるものが存在しなくなるためです。 最後にそれら相互を連結するようなつなぐように割れ目が入るわけです。このような 柱状節理は上面と下面から独立に形成された場合,六角形(正確には四角から八角ま である)。それぞれの大きさや位置は上下で異なっているはずです。そのため、複雑 に曲がったりねじれたりすると考えられます。 決して、溶岩流の中央部の等温面が複雑な曲面となっているわけではありません。こ のような節理群は柱状節理と区別してその形状からエンタブラチャーと呼びます。節 理はいつも等温面と直交しているわけではないと言うことです。 (7/16/99) 千葉達郎(アジア航測株式会社・防災部)
|