火山についてのQ&A |
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Question #172 | |
Q |
沖縄県の硫黄鳥島に行ってきました。島内を散策したのですが、ひとつ不思議なものを見つけました。
それは、人間の頭ほどの大きさの石です。その周辺の石の色はオレンジや茶色なのに、その石を含めた
いくつかの石はねずみ色なのです。よく見てみると、石はねずみ色の泥でコーティングされており、
まだ雨にあたった事は無いようでした。
場所は火口から数百メートルの地点です。この石は火口から飛んできたと考えて良いのでしょうか。
火口はねずみ色の泥水をたたえていました。
硫黄鳥島が噴火したという話も聞いていなかったので、どのように理解して良いかわかりません。
それとも、この程度の活動は、噴火とか爆発とは言わないのでしょうか。教えてください。
よろしくお願いします。
ちなみに、島に行ったのは97年5月です。
(12/18/98) |
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A |
もしも、私がその場にいって
そういう変なものをみつけたら何を確認するのかを
考えてみましょう
--------- (ネズミ色の物質) 石をコーティングしているネズミ色の物質は 指でこするとすぐに取れるような柔らかい泥なのか もしそうならば、厚さは何センチか すべての面に着いているのか 成層構造はないのか 粒子のサイズは、構成鉱物は何か 臭いはしないのか 水で洗うと取れるのか (石の種類) そして、ハンマーでその石を割ってみる 破断面をルーペで拡大して組織や鉱物をみて石の種類を確認する 灰色の表面付近のそれと比べる 風化して変色したのならば、構造は同じはず (産状、堆積時期) その石は、草の上や道の上に乗っているのか 乗っているのならば 草が押しつぶされたり道はへこんでいるか もしも、火口の方から飛んできたのだとすると 落下したときに衝突で地面に凹みを作っているはず しかも、鉛直ではなく火口の反対側にめり込むような斜めのくぼみ (位置と周辺の状況) 石の表面以外に周辺の地面に同じ色の泥は分布していないのか 火口に近づくとその数が増え、地面も同じ色の泥で覆われるか --------------------- もしも石の表面に洗うと取れるような泥が付着しており 火口に近づくとその数が増え、地面も同じ色の泥で覆われ 草や道が覆われているようならば 火口から石まじりの泥が噴出(「噴泥」)した可能性があると思います 試料か写真があるともう少し はっきりわかるかもしれませんね (12/21/98) 千葉達朗(アジア航測(株)防災部)
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