火山についてのQ&A |
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Question #139 | |
Q |
日本には86の活火山が有ると聞いてます
その中で霧島山ですが御鉢と新燃岳が噴火記録がありますが
火山群として一つの火山として数えられています
又 北海道の樽前山と風不死岳(活火山ではないですが)は隣同士の
ように思いますが個々の火山となっているようです
そこで火山群にするのか個々の火山にするのか決める基準が有りましたら
教えてください(上記火山の違いも出来ましたらそれぞれお願いします)
又 海外での基準も有りましたら実例を挙げて教えていただければ有り難く思います
(例えばカムチャッカのクリチェフスカヤとカーメン ベズイミアンはスケールが
違いますが隣同士のように思えるのですが)
素人ですので質問に間違いがあるかもしれませんが宜しくお願いいたします
(10/4/98) |
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A |
「火山群」というのは,「地理的分布が近接し,同時代でかつ成因的にみて 親縁関係にあると考えられる複数の火山の集まり」に対して用いられている言 葉です.東伊豆単成火山群が最も典型例とされています.御指摘の風不死や樽 前火山は恵庭火山とともに,支笏カルデラ形成後(約3万年前)にできた火山 で,そのうち,最も若いものが樽前火山です.大きなスケールでは,すべてを 含めて支笏火山群と呼ぶことも可能です.実際に,この3火山は「世界の火 山」カタログでは支笏火山地域として一括されています.現在86個とされる活 火山は,火山群を含んだり単独の火山体を含んだりしています.これらは,ス ケール,地形,時代的に明瞭な区分があって,それぞれを,1「火山」として いるわけではありません.噴火ポテンシャルの高い86の火山地域があると理解 すべきでしょう. 外国でも明瞭な区分がありません.「世界の火山」カタログでは複数群がっ ている火山をできるだけ少なくまとめる傾向にあるようです.御指摘の,カム チャツカの3火山は隣接した独立の大きな火山ですが,今のところ,それぞれ 単独の火山として扱われています. (10/7/98) 中田節也(東大・地震研・火山センター)
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