火山灰粒子は直径が2mmよりも小さなものですが,火山爆発でできるマグマや岩石のかけら(破片)には,火山灰粒子よりも大きなものもあります.直径が2mmから64mmまでのものは火山礫(ラピリ),64mmを超えるものは表面形態の違いによって火山岩塊(ブロック)または火山弾と呼んでいます.火山岩塊は表面が平滑な平面または曲面で囲まれた多面体形,火山弾は飴のように滑らかに湾曲した形を示します.肉眼で見える大きさの軽石(白っぽい岩石)やスコリア(黒っぽい岩石)といった穴(火山ガスの抜け穴)が沢山あるものは,そのほとんどが火山礫の大きさで,中には火山岩塊の大きさのものもあります.火山爆発で放出されたこれらの破片は,火砕粒子と総称します.また,火砕粒子がたまったものは一般的にテフラ(アイスランドのことば)といいます.これが固まったものは火砕岩(あるいは火山砕屑岩)です.火山灰はテフラの一種であり,凝灰岩は火砕岩の一種ということになります.火山の専門家はこのように厳密に区別してことばを使いますが,地層を研究している人の中には火砕岩の総称として凝灰岩ということばを使うことがあります.